日本財団 図書館


 

いうのはコミュニティの空間ではないかという気もします。お喋りが段々少なくなっていく今の時世にお互いに話ができるという役割も是非重視し、大事にしたいと思います。先程の問題点は、いろいろな改善策があるかと思います。

 

●藤田コーディネーター

 

改善策、バス復権のために具体的にどのようにしたらよいかということについて、福井さんはどのようにお考えでしょうか。

 

●福井先生

 

ケーブルカーで有名なロサンゼルスやサンフランシスコに行った時、バスも負けじということで、エブリコーナーバスという名前を勝手に付けましたが、大体ワンブロック毎に止まるバスがありました。どの角でも止まるから、クロスしたところは交差点だから確認のため止まらないといけないし、エブリコーナーで止まればその都度降りる人が少人数なのでそんなに時間も係りません。観光名所も多くあるから好きなところで乗降でき、料金は半券をもっていれば3時間均一です。
その当時は珍しかったロープが釣ってあり、何処を引っ張ってもチンと鳴り、降りる合図をしていました。日本のバスのように所々にボタンがあるのではなく、何処でも引っ張れるのでお年寄りでも小さな子供でも気兼ねなく引っ張り、降りる。あれがタクシーに限りなく近いドアトゥドアの一つの解決法がなと思います。
今後の可能性としましては、「イヤイヤ利用者」をどうやって「ウキウキ・ワクワク利用者」に変えて行くかという工夫が必要だと思います。
情報化というのが一つのヒントになると思いますが、もう少しでバスがくるというバスロケーションシステムというのがありますが、それは人間にやさしくないというか、いついも暫く来ないという点で現代人の感性と少しずれていると思います。もう少しやさしめの方がよいと思います。
今から住宅の情報化が進みますし、家に街角に居ながらでも、ある程度一定規模の大都市になるとバス停そのものが分化されているように、どこからがどの路線なのか非常に判りにくい、それもその街角のちょっとした装置で簡単に分かるように、案内板ではなくもう一歩進んだ情報化のツールがあるとよいと思います。

 

●藤田コーディネーター

 

太田さん、その公共交通機関になかんずくバスの方にもっと日が当たるべきかという考え方としてどのように整理したらよろしいでしょうか。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION